
2014年5月16日
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【内容紹介より】
本書は、2006年に秀和システムから出版した『ドラッカーが描く未来社会』を底本に、第1話から第6話に再編集したその第1話です。
全6話を1冊にした『ドラッカーが考えたこと──その生涯と著作』も電子書籍として提供しております。手っ取り早く全編読みたいという方には、こちらの書籍を読まれることをお勧めいたします。
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知の巨人ピーター・ドラッカー――。
ドラッカーの名を聞くと、多くの人は反射的にマネジメントという言葉を思い浮かべるに違いありません。確かにドラッカーは「マネジメントを発明した男」とさえ言われるほどですから、これもまた仕方のないことでしょう。
しかしながら、ドラッカーの約65年の著作活動を検討すると、単にドラッカー=マネジメントとする発想はあまりにも短絡的過ぎることが分かります。というのも、ドラッカーは当初からマネジメントを研究対象にしていたのではなく、異なる興味からやがてマネジメントに辿り着いた側面が強いからです。
では、ドラッカーは本来何に興味をもっていたのでしょうか。ドラッカーは自分自身を「観察者」であり「社会生態学者」であり「文筆家」と規定していました。
では、ほぼ96年の生涯を通して、社会生態の何を観察して記述したのでしょうか。そのエッセンスに迫ろうというのが本書です。本書を一読することで、ドラッカーの生涯、ドラッカーが世に問うた著作、さらに個々の著作でドラッカーが考えたこと、これらについてひとさらえに把握できるようにしました。
本書がドラッカーを理解するための一助となれば、筆者として幸いです。
【目次】
1-1 ドラッカー略伝とその著作
・第一次世界大戦前のオーストリアで生まれる
・アメリカで名声を得る
・ドラッカーの著作
1-2 社会生態学者としてのドラッカー
・観察し、記述する人
・観察と著述の対象は「社会生態」
1-3 社会生態学者の方法論
・社会生態学の三つのステップ
・断絶=非連続性に注目する
1-4 “非”未来学者としてのドラッカー
・非未来学者による未来予想
・未来学者と一線を画す
1-5 ドラッカー思想の変遷
・四度の断絶を経験した20世紀
・思想の原点は「組織社会」の発見
1-6 ドラッカーの未来社会論に分け入る
・①組織社会の時代
・②マネジメントの時代
・③多元社会の時代
・④ポスト資本主義社会の時代
・ドラッカーの未来社会論に分け入る