悩める人の戦略的人生論

20120410

2012年4月10日

祥伝社 780円(Amazonへ)


【はじめにより

 皆様はじめまして。経営哲学者Nでございます。以後お見知りおきを。

 ずいぶん以前からワタシは「経営学は人生戦略に通じる」と考えていた。もう少しかみ砕いて言うと、経営学で語られている各種の理論は、企業の経営だけでなく個人の人生にも役立つ、ということだ。

 これをテーマにした一文を、先日ある雑誌に寄稿したところ、後日サエグサ君と名乗る人物からメールが届いた。その内容はというと「経営学は人生戦略に通じる」について、もっと詳しく聞かせて欲しいという依頼であった。

 サエグサ君は、とある医療機器メーカーに勤める今年入社3年目の営業マンだそうだ。仕事も一通り覚えた現在、ふと自分を振り返ると、「この職業、ボクに向いているのか?」「このままずっと、この会社で働き続けるのか?」「もっとボクに向いた仕事があるんじゃないか?」などなど、思い悩むことしきりだという。そして一旦悩みだすと、新人の頃のようにはがむしゃらに仕事に打ち込めない、というのだ。そんな中、たまたま目にしたのが、ワタシの執筆した一文だったらしい。

 ちなみに、サエグサ君は農学部で応用生物学を専攻していたそうで、経営学にはとんと疎いらしい。ただ、これからキャリアを充実させていくには、経営理論についても知っておくことが得策だと考えていたそうだ。しかも、経営理論を新たに学びつつ、それを人生戦略に活かせるならば、あたかも一粒で二度おいしいではないか──。

 このように考えたサエグサ君は、何の面識もないワタシにメールをしてきたわけだ。ワタシも彼との面談に快く応じることにした。何しろ彼のような若者の力になれるのは、ワタシにとっても本望だからね。

 ただこの面談に対して彼から一つ要望があった。それは、「経営学は人生戦略に通じる」について、通り一遍の話ではなく、みっちり教示してくれないかということだった。講義料も支払いたいという申し出だ。もちろん後者については丁寧にお断りしたけれど、みっちり教示するという点には断然同意することにした。

 そこでワタシも一計を案じた。彼に語る内容を本にできないかと考えたわけだ。仮に7章立てだとすると、1章あたりを1日2〜3時間で解説して都合7日間。連日は難しいので週1回で全7回とする。

 サエグサ君にこのような提案をしたところ、一も二もなく承知してくれた。また、彼の会社は毎週水曜日がノー残業デーで、定時の退社が義務づけられているという。そこで、水曜日の6時半、ワタシのオフィスで彼に私的講義をすることになった。

 以下、本書に記すのは、ワタシがサエグサ君に講義した話の内容を再構成したものだ。読者の皆さんもサエグサ君になったつもりで本書を読んでもらいたい。そうすれば、きちんと理解しておきたい定番および最新の経営理論に関する知識を得られるばかりか、その知識を自分自身の人生戦略に活かせるはずである。


目次】

第1週 なぜ、この会社で働いているのか

      ──サエグサ君、ミッションについて考える

第2週 「なりたい自分」を知る方法

      ──サエグサ君、ポリシーについて考える

第3週  成功のために何が必要か

      ──サエグサ君、戦略について考える

第4週 他人と自分の差別化を図れ

      ──サエグサ君、自分の強みについて考える

第5週 お金をもらうに値する仕事とは

      ──サエグサ君、ニーズについて考える

第6週 人生戦略における「現在地」はどこか

      ──サエグサ君、組織内のポジションについて考える

第7週 将来の選択肢を広げるには

      ──サエグサ君、キャリアパスについて考える

















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