2016年9月9日
本書は2016年5月にアルテより出版した『マズロー心理学入門』を電子書籍にしたものです。
マズローの執筆スタイルは、経験した事実を次々と列挙する現象学的手法を採用しています。これに加えて、マスローの著作が論文や講演原稿の編纂であることも、原典を通読する障害になっています。本書では、入門者が陥るこのような障害を回避しつつ、マズローの人と思想を手軽かつより深く理解できるようにしました。
【はじめに】より
【目次】
第1章 アブラハム・マズローの人と思想
・マズローとは何者か
・内気な少年
・心理学を一生の仕事に
・サルの研究者として
・性科学の道へ進む
・知性の粋にふれる
・ブラックフット・インディアンとの出会い
・思想的転換、内的変化
・早過ぎた死
・マズローの主要7著作
・マズロー心理学とフロイト心理学の違い
・第三勢力としてのマズロー心理学
・人間性心理学の方法論
・マズローの業績を時代区分する
第2章 欲求の階層
・マズローが唱えた欲求階層論
・欲求階層論の概略
・ジャングルで暮らす5人
・欲求の階層と健康度は相関する
・基本的欲求は悪ではない
・欲求階層論とX理論・Y理論
・欲求階層は不動ではない
・相対的に高次な欲求の特徴と相対的満足度
・欲求階層論が適用できない場合
第3章 自己実現
・リーダーシップと自己実現
・ヴェルトハイマーとベネディクト
・自己実現を研究するための方法
・自己実現者に共通するの特徴
・自己実現者に見る使命と職業
・自己実現者が追求するB価値とは何か
・職業人が持つべき価値観について考える
・創造性と自己実現の深い関係
・第一次創造性と第二次創造性
・成長動機と自律性
・ヨナ・コンプレックスに注意せよ
・自己実現のための方法論
・再びリーダーシップと自己実現
第4章 至高経験と自己超越
・至高経験とは何か
・マズローの至高経験に関する研究
・至高経験と当為の認知
・至高経験に至る方法
・ポジティブ・フィードバッグを実践する
・フロー体験に至るための方法論
・インスタントな至高経験への批判
・欲求の第6の階層
第5章 ユーサイキアン・マネジメント
・ユーサイキアン・マネジメントに至る経緯
・ユーサイキアとは何か
・シナジーの提唱者ルース・ベネディクト
・シナジーとユーサイキアの密接な関係
・ユーサイキアにはモデルがあった
・ユーサイキアン・マネジメントとは何か
・ユーサイキアン・マネジメントの優れた点
・企業が目標とすべきものは何なのか
・X理論・Y理論からZ理論へ
・マズローとドラッカーの共通点
・マズローのドラッカー批判
・ユーサイキアとは逆の方向を向く現代マネジメント
第6章 ユーサイキアは実現できるのか
・ハクスレーの小説『島』とブラックフット・インディアン
・ユーサイキア社会のリーダーシップ
・マズロー派の経営学者がいない理由
・税金に関するマズローの主張
・それでもマズローは理想を目指す