2024年6月21日 

本書では、渋沢栄一が語った言葉を手掛かりに、渋沢の経営思想について語る保守本命の内容にすることを目指しました。
渋沢経営論の核心といえば、道徳経済合一説、あるいは「論語と算盤」と呼ばれるものです。第1章と第2章では渋沢栄一の幼少時から30歳代半ばまでの半生を時系列でたどり、独自の経営論である道徳経済合一説を構築するに至ったその思想的背景について探りました。
続く第3章では渋沢経営論の核心ともいえる「道徳経済合一説=論語と算盤」について、その中身をじっくりと読み解きます。「論語と算盤」とあるように、渋沢経営論では『論語』の教えを起業や経営に取り入れているのが大きな特徴になっています。本章では『論語』の著名語録も引きながら渋沢経営論の精神を明瞭にしたいと思います。
さらに第4章では、渋沢が道徳経済合一説を念頭に、いかにして多様な企業を設立し、またそれらをいかにして経営したのか、実際にあった具体的な事例を紹介しています。これらのエピソードを通じ、渋沢経営論の実際を浮き彫りにします。
最後の第5章では、渋沢が残した多くの語録から、処世訓となる言葉を取り上げて解説を加えました。中でも「中庸」は渋沢栄一の生き方を考える上で鍵となることが、この章を通じて理解できるのではないでしょうか。

【内容紹介】より

【目次】
第1章 渋沢経営思想の背景
第2章 株式会社の誕生とその発展
第3章 論語と算盤=道徳経済合一説
第4章 渋沢栄一が育てた企業の数々
第5章 自他を活かす処世訓