2016年5月10日 ちくま文庫 

本書は2010年5月に新潮社から出版された『裸はいつから恥ずかしくなったか──日本人の羞恥心』を文庫化して出版されたものです。
150年前の「混浴図」が、現代日本人に奇異に見えるのはなぜか?
「男女が無分別に入り乱れて、互いの裸体を気にしないでいる」。幕末、訪日した欧米人は公衆浴場が混浴なのに驚いた。当時の裸体観がいまと異なっていたのだ。しかし、次第に日本人は裸を人目に晒すことを不道徳と考えるようになり、私的な空間以外では肉体を隠すようになった。その間、日本人の心の中で性的関心がどのように変化していったかを明らかにする。

【内容紹介より】

【目次】
序章 下田公衆浴場
第1章 この国に羞恥心はないのか!?──ペリー一行らが見た混浴ニッポン──
第2章 混浴は日本全国で行われていたのか──幕末維新の入浴事情──
第3章 日本人にとってのはだか──現代とは異なるはだかへの接し方──
第4章 弾圧されるはだか──西洋文明の複眼による裸体観の変容──
第5章 複雑化する裸体観──隠すべき裸体と隠さなくてもよい裸体──
第6章 五重に隠されるはだか──隠され続ける先にあるもの──
終章 裸体隠蔽の限界

【書評】

 東京新聞 2016年7月3日付

『裸はいつから恥ずかしくなったか』(筑摩文庫 2016年5月刊)がWebの「ダ・ヴィンチニュース」で取り上げられました。