2019年3月11日 秀和システム
本書は2006年12月に刊行された『ポケット解説 ドラッカーが描く未来社会』を加筆・修正し、新刊として再編集したものです。
ドラッカーは、社会生態を観察し、そこから未来を探るのに「ドラッカー流未来観測術」とも呼べる、独自の手法を用いました。この手法がいかなるものなのか、本書ではまずその点について述べています。さらに、彼が活躍した二〇世紀のそれぞれの時代において、ドラッカーはこの独自の手法を用いて、いかなる社会生態を観察し、そこからどんな未来社会を描いたのかを検証しました。これは、ドラッカーが生涯を通じて思索した未来社会論を振り返る作業であり、この検証を通してドラッカーの思索活動の変遷が理解できるはずです。また、そうすることで、ドラッカーがマネジメントを発明した以上の存在であることを、読者の方々に理解していただけると思います。
一方、ドラッカーの未来社会論は、現代を生きる私たちに多くの示唆を与えてくれます。二一世紀に入り情報通信技術が高度に進展し、社会は二〇世紀とはまったく異なる様相を呈するようになりました。そのような中で日本は、人口減少、少子高齢化という制約の下、経済成長を果たしていかなければなりません。
そのヒントが本書で紹介するドラッカーの未来社会論に含まれていると筆者は考えています。
【はじめにより】
【目次】
第1章 ドラッカーと未来社会論
第2章 一九世紀型社会の終焉から組織社会へ
第3章 マネジメントの時代から多元社会の時代へ
第4章 人口動態から未来を読む
第5章 知識社会の到来
第6章 ネクスト・ソサエティと日本